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よくある質問をあつめてみました

ヤマビルQ&Aバナー

Q1:生まれたばかりのヤマビルはどのくらいの期間吸血しなくても生きていけるの?

Q2:水中では生きられるの?

Q3:どうやって吸血するの?

Q4:ヤマビルは医学的に役に立つことはないの?

Q5:食塩や竹酢液でヤマビルを退治することはできるの?

Q6:くっついたヤマビルはどうして取り外しにくいの?

Q7:天敵はいないの?

Q8:ヤマビルには目があるの?

Q9:体を2つに切ると再生して2匹に増えてしまうの?

Q10:これはヒルなの?頭の形が変なんです

Q11:ヤマビルって寒さや暑さに強いの?弱いの?

Q12:ヤマビルと落葉かきの関係は?

Q13:草刈りはヤマビルの防除に効果あるの?(2011.1.26掲載)

Q14:ヤマビルは昼間に多く活動しているの?(2011.1.26掲載)


吸血しなくても生きていられる?

実験の結果、吸血しなくても約5か月間生きていました

6月29日/群馬県月夜野町にて吸血ヒルを採取・実験室内で飼育
6月21日/(吸血23日目)産卵
7月18日/(産卵から27日目)幼虫ふ化8頭
12月18日/(ふ化後5か月)幼虫生存

満腹状態のヤマビルと卵塊(らんかい)
満腹状態のヤマビルと卵塊(らんかい)

卵塊(らんかい)の中から誕生した子ビルは5か月間吸血しなくても生きています。ヤマビルは動物の血液という栄養価の高いものを摂取して大きく成長し産卵をするわけですが、血液以外のもの、土壌中の有機物や腐敗した植物などは食べていないと言うことになっていますが、詳しいことはよくわかっていません。このようなことからも、誕生した子ビルは驚くほどの生命力を蓄えながら生まれ、非常に省エネで飲まず食わずの生き方をしていると言えます。

水中では生きられる?

数日なら大丈夫ですが・・・

ヤマビルは陸に住む生き物ですが、数日の短期間であれば水中でも生きています。その点では水陸両用とも言えるのかもしれません。しかし、水中に1週間置いておくと写真3のように死んでしまいます。3日後には吸盤が使えず伸びていました(写真4)。空気のない状態にしてヒルを水中に入れておくと、ほとんど動くことはなくじっとしています。そして3日間水中に放置後、空気中に戻すと数時間で元気になって探索行動を示します。水陸両用とは驚きですが、このことはヒルの生息している地域が雨に浸かっても死ぬことはないことを示しており、また、落葉や土砂などと共に雨に流されて少しずつ生息範囲を拡げているのではないでしょうか。

水中実験中のヤマビル
どうやって吸血するの?

まず、前吸盤の仕組みを見てみましょう

ヤマビルは前吸盤の中央に口が開き、その中に下の写真のような3つの鎌状(半円形)のあご(顎)があります。

前吸盤の写真

あごに各々2列の歯が60〜70個並んでいます。

ヤマビルの歯"

吸血するときには吸血動物の血管を探し当てると、前吸盤で固定した後、口の中の鎌状のあごを上下に動かして皮膚をY字状に切って染み出る血液を吸います。歯の間には唾液腺が多数あり、吸血する際にはこの唾液腺からヒルジンが多量に分泌します。このヒルジンには皮膚を切った時の痛みを気づかせなくするモルヒネのような麻酔作用のある物質や、血液が固まるのを防いで吸血しやすくする物質、血管を広げて吸血しやすくする物質などが含まれています。

吸血試験のようす

実際にヒトへの吸血試験を行ってみると、吸血する時間はかなり長く1時間くらいはたっぷりと吸血します。吸血された時には最初チクッとする感じ程度でほとんど痛みは感じません。そして、その吸血する量はおよそ1ml(1頭当たり)です。吸血した後、流血は1〜2時間止まらず、この失血量をあわせるとヤマビルによる1回の失血量は2ml前後になります。
(写真:吸血まもないヤマビルと1時間吸血したヤマビル)

吸血試験の様子"
どうやって吸血するの?

ヤマビルと医療の歴史はとても古いのです

ヤマビルを医療で利用することは、現在はありませんが、ヒル(チスイビルの一種)が医学的治療に用いられたのは古くからあります。ギリシャ時代に始まり、エジプトのピラミッド内の壁画にはヒルで病気を治療している物語が描かれています。その後19世紀始めにヨーロッパでは医用ヒルとして、高血圧、鼻出血、肥満など数多くの治療に用いられました。

1904年になると英国でチスイビルの1種である Hirudo medicinalis からヒルジンといわれる抗血液凝固物質が始めて分離されました。ヘパリンが見い出される以前にはこのヒルジンが唯一の抗血液凝固剤として使われていました。日本でも老人の足の血行障害や肩こりにヒルを吸血させたりする、いわゆる潟血(しゃけつ)療法といった伝統的な治療も少ないながら行われています。

ヒルを使用した治療"

ごく最近、大学病院の外科領域(形成外科など)で、指、耳、唇などの接合手術の後に生じるうっ血を解消し、術後の回復を早め、移植部分の微小血管を早期に回復させる目的で医療用ヒル(チスイビル:英国から輸入)がよく利用されています。

食塩や竹酢液でヤマビルを退治することはできるの?

短時間の忌避(ヤマビルを寄せつけないようにする)効果は期待できます

殺ヒル効果は・・・
塩をそのままかけるとナメクジと同じで死亡します。食塩水では、濃度20%だと効果はまずまずで(死亡率80%)、大きなヤマビルでは死なないこともあります。濃度10%では効果が弱い(死亡率20%)ので注意してください。

忌避効果は・・・
市販の薬剤よりも効果の持続時間が短く、竹酢液(原液)9分、食塩水(10%)20〜30分と短時間でした。

忌避試験のようす

(1)それぞれ布の部分に忌避成分(塩水・竹酢液・ヤマビルファイター)をしみ込ませ、脱出するかを観察
(2)開始直後・・・布に触れて嫌がるヤマビル
(3)食塩水10%・・・3分後には5匹すべてが枠外に脱出
(4)ヤマビルファイター・・・60分後脱出なし。布の上で歩けなくなる

忌避試験の様子"
くっついたヤマビルはどうして取り外しにくいの?

ヤマビルの吸盤には強い吸着パワーがあります

体重300mgほどの大きなヤマビルで吸着実験をしてみました。 35gのボールを30秒も持ち上げることができました。体重の100倍以上の吸着力です。このパワーですから、吸いついている時は引っ張ってもはがれにくいのです。そんな時は吸盤をはずすように指や石などで刺激したり、水をかけるとはがれやすくなります。見てください、この吸着力!思いっきり引っ張ってもなかなか取れません。

吸着パワー
天敵はいないの?

無敵のようです

自然界においては、今のところ天敵はみつかっていません。実験的にはコオイムシがヤマビルの体液を吸うことは報告されています。ニワトリやコジュケイがつついて食べるのは観察されているが、逆に鶏が吸血される例もあるため、実際にどれくらい食べるかはわかっていません。
(写真:ヤマビル捕食(体液吸飲)中のコオイムシ)

コオイムシの写真
ヤマビルには目があるの?

見えているわけではありません

物を識別する能力はありませんが、明暗を判断できる眼点が10個あります。目がなくても頭部先端の敏感な感覚器(センサー)によって熱や風、二酸化炭素などを感じて吸血源に近づくことができます。

ヤマビルの眼点
からだを二つに切ると増えるの?

プラナリアとはちがいます

ヒルと同じ環形動物のミミズは再生力が強く、一部を切り取っても再生しますが、ヤマビルは半分に切断すると死にます。また扁形動物のプラナリアも再生して1匹が2匹になることができますがヤマビルは再生しません。

からだを2つに切ると・・・
頭の形が変なヒルがいます

頭部がしゃもじのように広がっていませんか?

頭部がしゃもじのように広がっている場合は、コウガイビルです。ヤマビルのように血は吸いませんのでご安心ください。

コウガイビルは、頭部が半月形で長さが10〜30センチと細長く、時には1mを越える大物もいます。色は黄色や黒茶色をした種類もいて、その特異な形と気味悪さのおかげで梅雨の時期に問い合わせが多くきます。分類学的には扁形動物門ウズムシ目コウガイビル科に属し、環形動物門のヤマビルとは異なります。湿った土壌、石の下や腐った木に生息しており、乾燥には弱い。肉食性でミミズ、ナメクジなどを追いかけて飲み込んでいる姿を住宅地周辺でも見かけることがあります。

コウガイビルの名前の由来は、女性の髪飾りである笄(こうがい)と櫛(くし)に形が似ているからといわれています。

かんざしとこうがい
ヤマビルは暑さ、寒さに強いの?弱いの?

ヤマビルの活動シーズンは、4〜10月で、気温20〜25℃が最適。では、冬の寒い時期にはどうしているのでしょうか?

試しにヤマビルを(乾燥を防ぐために脱脂綿も)シャーレに入れて、冷蔵庫へ入れてみました。

ヤマビルを冷蔵庫へ

寒いと死んだふり?
0℃にすると死んだようにじーっとしているけれど、20℃の室温にもどすと、歩き出します。
さらに−2℃では、4日間入れておいても死にません。凍結しないが歩行困難で動かない個体もいる。20℃の室温に戻すと翌日には呼気に反応します。しかし、−5℃では3時間では凍っても室温に戻すと生きていますが、8時間後にはコチコチに凍ってしまい、室温に戻しても復活しませんでした。

ヤマビルの暑さ実験

暑いとよれよれ?
30℃ではとても活動的になるのですが、35℃にしてみると8時間後までは元気ですが、24時間後には全て伸びきって死んでしまいました。さらに40℃ではぐったりとして3時間も持たず死亡してしまいました(頚部出血)。

ヤマビルを恒温槽へ ヤマビルの生存試験
ヤマビルと落ち葉かき

落ち葉かきには防除効果があります

里山の雑木林はかつて薪や炭に活用され、落葉は堆肥に利用されてきました。落葉かきとは冬の期間に枝打、間伐、下刈などと共に落葉を集めて地表の乾燥を促し、人が歩ける明るい里山にすることです。集められた落ち葉は良質な堆肥となります。

秦野の防除

ヤマビルの多い里山において落葉かきによってヤマビルの生息数が1/5以下のレベルにまで低下させることが出来ました。この防除効果の要因のひとつとして考えられているのが、落葉かきによって日光が地面まで届くようになり、冬期の地表温度が30℃以上になることが多くなり、特に3月では35〜38℃にまで上昇することがわかりました。このような気温の上昇によって、ヤマビルが越冬できにくくなるのではないかと推測されています。
(環境省 秦野市里地里山保全再生モデル事業報告書 平成18年6月29日より)

ヤマビルと草刈り

効果あります。生息しにくい環境づくりが大切です

草を刈ると直接地面に日光が当り地面が乾燥し、ヤマビルにとっては生息しにくい環境になるのでヤマビルの侵入・定着を防ぐことができます。神奈川県で実施されたフィールド試験結果を図に示しました。草刈りを行うとヤマビルが少なくなり、防除効果のあることが確かめられました。また、刈った草はまとめて処分すると更に防除効果の高まることもわかりました。

草刈りの防除効果
ヤマビルの行動時間

朝も夜も元気に活動しています

神奈川県ではヤマビルの一日の発生状況を調べました(実験地:神奈川県厚木市七沢)。その結果、ヤマビルは昼間より朝方と夜間に活発に行動し、シカ、イノシシなどの野生動物を吸血しています。特に、雨が降った時には、晴れた日よりさらに朝方と夜間にヒルは多く出現することが明らかとなりました。

ヤマビルの1日の変動調査

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